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基板コーティング除去における最善の方法は?

authorIcon 2021年6月16日、Alex Fraser topicIcon レーザー洗浄

基板コーティング保護の除去とは奇異に感じるかもしれませんが、製造工程によっては必須です。溶接汚染防止、コーティングにムラがある部品の手直し、コーティング工程に使用する機器(フック、ラックなど)のクリーニングのため、溶接前にコーティングを除去することが多くあります。 

基板コーティング除去の最も一般的な方法には、バーンオフオーブン、サンドブラスト、ケミカルストリッピングなどがあります。より現代的な技術は、レーザークリーニングです。スピードと精度を求めるメーカーや、消耗品を排除したいメーカーに採用されています。  

各技術の得意分野を理解していただくために、引き続きご覧ください。しかし、その前にコーティングプロセス自体を確認しましょう。 

基板コーティングとは何か、その仕組みとは? 

基板コーティング(電着塗装)とは、電流を利用して金属表面に塗装をする塗装工程です。エレクトロコーティングは、防食性を向上させ、製品を長持ちさせます。たとえば自動車業界では、シートブラケット、ブレーキ、ドライブシャフトなどの重要な安全部品の保護に使用します。 

粉体塗装と似ていますが、各工程に明確な利点があります。  

基板コーティングでは、部品(一般的には板金製)をエポキシ樹脂、ペースト、脱イオン水を含む化学溶液に浸します。溶液に正確な電圧をかけ、コーティングを密着させます。  

基板コーティングは、表面全体に同じミクロン精度で均一な厚さを実現する高精度処理です。 

エレクトロコーティングの除去方法は? 

基板コーティング除去で最も一般的な方法には、レーザークリーニング、バーンオフオーブン、サンドブラスト、ケミカルストリッピングなどがあります。 

レーザークリーニング 

 

レーザークリーニングはレーザーアブレーションを使用して、金属表面からあらゆる種類の汚染物質を除去します。十分な熱を発生させることで、基板コーティングが(他の汚染物質とともに)表面から蒸発し、地金はそのまま残ります。塗料粒子は処理中に空気中に放出されるため、効率的な排煙システムが必要となります。 

レーザークリーニングは、溶接などで局部をクリーニングする必要がある場合に最適です。他の方法と異なり、生産ラインに直接統合して大量の部品を処理することができます。 

レーザークリーニングでは通常、粉体塗装を除去するよりも基板コーティングを除去する方がはるかに高速です。後者はコーティングが薄い傾向があるからです。産業用途では処理に時間がかかり過ぎるため、大きな部品を完全に洗浄する際にレーザーシステムを使用すべきではありません。 

バーンオフオーブン 

その名の通り、バーンオフオーブンは可燃物を燃焼します。コーティングが灰になります。オーブンでは酸素が不足するので、このプロセスでは火を使用しません。これらのオーブンは、ラック、フック、取り付け具、部品をクリーニンするために仕上げが必要な業界で使用されます。1,000°F(約538℃)までの極端な温度でも数時間動作します。 

クリーニングは高品質ですが、高温の基材は応力、脆性、金属疲労の原因となります。この作業には、残留灰を水ですすぐなどの方法で除去する必要があるため、追加の工程が必要になります。また、バーンオフオーブンは多くの電力を消費するため、非常に高価な処理となります。 

サンドブラスト 

サンドブラストもしくはブラスト加工は、おそらく最も広く知られている表面のクリーニング法です。仕上げが必要な業界では、ラックからエレクトロコーティングの堆積物を除去するために一般的に使用します。 

この作業は、オペレーターが個人用保護具を着用して、専用の部屋で行う必要があります。他の方法と異なり、サンドブラストは正確性に欠けます。強力な溶液を使用すると、金属の損失を引き起こす可能性もあります。サンドブラスト後は、汚染物質の混入を防ぐために、残ったブラスト溶剤を慎重に取り除く必要があります。消耗品は頻繁に交換が必要であるため、運用コストもすぐに増加します。 

ケミカルストリッピングソリューション 

ケミカルストリッピングとは、部品全体を高温に維持した化学溶液に浸すプロセスです。塗装ストリッパーは、地金に傷をつけずに、特定の汚染物質を除去する際に選びます。 

ケミカルストリッピングは高品質で行うことができますが、かなりの量の化学物質を工場の床に発生させるだけでなく、数回のすすぎ工程を行うため、すすぎ水の処理も必要になります。このような理由から、多くのメーカーがこの工程を外部委託します。 

この工程は、通常30分から1時間ほどで行うことができるため、バーンオフオーブンよりも短時間で終了します。また、サンドブラストよりも精度は高いものの、レーザークリーニングのように特定のエリアをクリーニングすることはできません。 

基板コーティング除去用レーザークリーニングのテスト方法 

基板コーティングを除去する必要がある場合は、Laseraxのエキスパートにお問い合わせください。レーザー技術は、局部のエレクトロコーティングを除去したり、大量の部品を処理したり、クリーニングプロセスを自動化したり、品質を向上させたりする必要がある場合に適しています。 

 

レーザーエキスパートへのお問い合わせ

 

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Alex Fraser

レーザー加工における博士号を持つAlexは、Laseraxを設立した2人のレーザーエキスパートの1人です。現在は副社長兼最高技術責任者として、レーザーマーキング、洗浄、テクスチャリング、溶接用途のレーザー工程を開発するチームを監督しています。